わっかテーブルについて

北海道の「いい食」を伝えたい!

「北海道には、おいしいものがたくさんあるね」
「北海道はおいしい!」

この北の大地は、よくそのように評されます。
大地の広大さや、自然あふれる観光名所とともに、そのような食への他者評価の高さが、北海道民の地元愛を支えているといえます。

では、そのおいしいものって一体何でしょう?

北海道はおいしいと言われ、誇らしく思いながらも、実は私たち北海道民自身、そのおいしさの所在をよく知りません。
一方で、北海道外を旅する先々で教わる「地域の食文化」にふれるたび、その歴史と物語、愛着、そして笑顔に、憧憬を感じるのです。

北海道のスーパーマーケットにも、地球の裏側から運んできた肉が並んでいますし、素材の味を隠してしまう調味が施された食事が、外食や中食でも一般的に提供されています。

カロリーベース食糧自給率200%という私たちの北海道が、たんに食糧生産地ではなく、魅力ある食の物語で満たされることを願い、この「わっかテーブル」や北海道の食に関わる仲間たちとともに、愛と笑顔が詰まった、本当においしいもの、北海道の「いい食」を、道内外に発信してまいります。

「北海道食べる通信」を通じた出会い

運営者である「わっかプランニング」代表の佐々木は、「北海道食べる通信」という食材付き情報誌の編集長を務めています。
https://taberu.me/hokkaido/

食べる通信とは、食べものの裏側にあるストーリー、つくり手の情熱、哲学を、誌面で情報として伝え、その食材を付録としてセットにすることで、味わってもらうというサブスク型のサービスです。東日本大震災でつくる側と食べる側の関係構築が必要だと高橋博之氏(日本食べる通信リーグ コミッショナー)が「東北食べる通信」を立ち上げたことを皮切りに、全国の各地域に広まりました。

前職在職中から、北海道食べる通信の取材や編集に関わりはじめ、2021年現在でおよそ5年。この取り組みを通じて、多くの農家さんや漁師さんに出会うことができました。

総括するにはまだ早いですが、強く思うことは、出会ったたくさんの笑顔と「いい食」が、北海道の食の本当のおいしさ、価値なんだということ。
笑顔だけじゃない、涙も、苦悩だってあります。そうして、食べる側と同じ人間が、どこかの誰かが流した汗が、おいしい食べものをもたらし、その物語が、そのおいしさを何倍にも膨らませてくれるのです。

「わっかテーブル」でも、食材のおいしさと、その裏にある物語を伝えていきます。

「いい食」ってなんだろう

では、「いい食」とは一体なんでしょうか。

僕が考える「いい食」とは、誰かにとって特別な価値のある食です。
もちろん、すべての食材には由来があり、栄養成分があり、空腹を満たしてくれるという根源的価値があります。
特別な価値とは、それに加えて、感動や共感を抱くものであるということです。

汗を流しておいしいものを育て、獲ってくれた物語と並行して、僕を含むたくさんの人にとって大切な視点があります。それは、できる限り持続可能であることです。
二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス増加に起因するといわれる地球温暖化が進行し、気候変動が顕在化する昨今、世界は持続可能な社会へと急速に舵を切りつつあります。
そして、食べものを育て、採る、あるいは獲る現場でも、多くの人々が、持続可能な食糧生産について考え、実践しはじめていることを、これまでの取材を通じて知ることができました。

世の中の食べものがすべて、オーガニック認証のようなラベルで持続可能性を認証されればよいのかもしれません。しかし、食べものが得られるまでのすべてのプロセスが厳格に持続可能であることを求めるには、日本はまだ法整備も含めてとても困難です。例えば、漁業において持続可能性を認められた漁場に与えられるMSC認証、ASC認証取得件数は国内では数えるほどしかなく、その他ほとんどすべての漁法や漁場は、持続可能性を証明できていません。

そうした過渡期といえる現代日本社会において、大切なのは、向き合い、考え続けることだと思っています。
ここ「わっかテーブル」は、「北海道食材探検家」を名乗る僕が、自分の舌と信念に照らして向き合い、考えて、「いい」と思った食材を紹介し、販売する場です。

代表について

佐々木 学(ササキ マナブ)
株式会社わっか 代表取締役
わっかプランニング 代表
北海道食材探検家/北海道食べる通信編集長


ウェブエンジニア、広告プランナーを経て、2005年から北海道大学職員。在職中の2016年からボランティアとして北海道食べる通信副編集長の肩書きで活動、2020年4月に北海道大学を退職して独立。